店主のもやもや・・・
今日いらしたシニアの男性がぽつりと口にしたことが耳から離れない。
「今、高齢者の孤独死が増えているんだよね……」
今コロナが不安で家に引きこもりがちになっている高齢者は多い。もちろんオンラインなど使うこともできずに、ひとり暮らしの方などは誰とも話すこともなく、孤立してしまっている。
男性は、そういう高齢者が集まる活動を公的機関と連携して開催してきたが、今は全くできなくなってしまったそうだ。団体のメンバーも高齢者が多いので、オンラインなどを活用することもできない。
マスコミで流れるのは、恐怖をあおる報道ばかりで自粛を!と呼び掛けるだけ。もちろん自粛をすることで感染は防げる。高齢者が感染した場合の重症化のリスクを考えると仕方ない。しかし自粛した先にある孤独な毎日を過ごす人たちがいて、その対策は取られず、そこから発生するいろんな病気のことはどうなるのだろう。
カフェの営業を続ける理由はそこにある。
これまで地域をつないできた老人クラブも町内会も今は機能していないところが多い。
しかし、そういったこれまで地域のつながりの要であったはずの活動が停止したことで、行き場を失った人たちが地域にはくさんいる。
だからこそ、誰でも行けるオープンな場が必要なのである。
-こんにちは~。入ったら手を洗って消毒お願いしま~す!
-座るときには、正面ではなく、斜めにお願いしますね~。
-飲食以外はマスク着用にご協力くださ~い!
-あ~、○○さん、マスク外れてますよ~(笑)
-換気のため、窓を開けているので、寒かったらひざ掛け使ってくださいね~
‐ソーシャルディスタンスですよ~!
-あ、○○ちゃん、お久しぶり~!元気だった?
-ちゃんとご飯食べてる?
-また顔見せてね!
こんな会話がカフェの中では交わされる。
お客さんとの距離感を大切に、できるだけ声をかける。
久しぶりに誰かと話した!と言われる方もいる。
はじめて来られた方にも、ここは安心して来られる場所だということをできるだけ感じてもらえるような声掛けをする。
できることをしながら、人が集まる場を維持させる。
ここなら安心して来られると思ってもらえるように。
もちろん、場を持つ者としての責任はある。
何かあったらすべて私が責任を取らないといけない。
正直、何が正解なのかはわからない。
今できることは何なのか――。
模索しながら、人のつながりを持ち続ける大切さを実感する毎日である。
今日来られた80歳の女性が、
「ここがあって、本当によかったわ」
としみじみと言われた。
多くのお客様を受け入れられない今だからこそ、
こんな時に来てくださるひとり一人との関係を大切にし、目の前のつながりを大切にしていきたい。
これからコロナとどう向き合っていけばいいのか――。
感染が今後どうなっていくのか――。
まだしばらくは続くであろうこの状況下、
この状況に対応できない人が取り残されないようにするには
どうすればいいのか――。
行政はどうしても、守りの体制にあるのは仕方ない。
だからこそ、この地域に住み、場を持つ者として、できることは何なのか、
モヤモヤは強まるばかりだが、留まってはいられない。
カフェから時代はつくられる――。。
今この時代にこそ、カフェという場が人の心と心をつなげる時はないと思う。
人を孤立させない。
誰かと繋がる安心感をカフェという機能を使ってできないか・・・模索する毎日である。
ランチにいらした水彩イラストレーターの足助久美子さんがささっと描いてくださいました!
とても素敵‼‼ ありがとうございます!