3年前の6月、2世帯住宅の1階部分に住んでいた義母が亡くなった。
それまでの介護の日々はとても大変で、私自身も心身ともにかなりしんどかった。
しかし、実際にその義母を看取り、誰からも使われなくなって暗く沈んだ部屋にいると、なんだかとても寂しくなり、気持ちがどんどん落ち込んでいった。
せっかくのスペース。ここをもっと明るくして、みんなが集まれる場所にしたら、きっと義母も喜んでくれるはず。
それからというもの、私は同じような思いをしている人と会ってお話を聞いたり、街づくりや居場所づくりの勉強会などにも参加し、そして下した決断が、まずはここに「カフェ」を作るということだった。
ひとり暮らしのおばあちゃんやおじいちゃん、パートと家族の世話で疲れているお母さん、子育て中のママたち。
学校帰りの小学生や中学生。そんな人たちが気軽に集まって、ここに来ておしゃべりをしたり、新しい出逢いなんかがあったらいいなと思う。
人と人との交わりが少なくなったと言われる昨今だが、本当はみんなそれを求めているように思う。
誰かとつながっていたいし、話を聞いてもらいたいし、友達になりたいのだと思う。
何かのきっかけがあれば、人は人とつながることができる。
年齢に関係なく、心と心も通じ合える。
ひとりで食べるご飯より、みんなでワイワイ言いながら食べるご飯の方が美味しい。
気軽にお茶を飲みに立ち寄って、ゆったりした時間を過ごしてもらえるのもいい。
ひとりで家にいる人も、家では忙しくてゆっくりお茶なんて飲めない人も、ここに来て、一服できる場所…
そんな「街のカフェ」としてみんなから愛されるような場所にしていきたい。
はじめは本当にできるのか、私自身も疑心暗鬼だった。
どういう形で進めた方がいいのか? どういう場所にしたいのか? コンセプトは? 内装は? 外構は? 改築の資金は? 家具は? スタッフは?
全てのことがわからないだらけの、まったく手探り状態だった。
でも、動き出せば、きっと何かが見えてくるはず。(と案外安易に考えてスタートした)
そう思って、とりあえず、このカフェのイメージを描きながら、動き出したのだ。
勝手な思いだけから始まったこの動きに賛同してくれる仲間がひとり、二人を増えていった。
2年がかりの構想――
そして、6月8日(日)、いよいよ「ハートフル・ポート」がオープンする。
ご近所にはチラシを配り、数日前からチラシを玄関の前に置いてみた。夕方になると、ほとんどなくなっている。
今日は、「チラシ見たんですけど…」と、年配の女性から電話があった。
少しずつ、広がっていけばいい。
ここに至るまでは、本当にたくさんの人にお世話になった。たくさんの協力をしてもらった。
このブログでは、そのすべてに感謝の気持ちを込めて、その過程で感じたことや実際に苦労してきたこと、そしてこれからのことなど、あれこれを綴っていきたいと思う。(G)